英国の博物館V&Aとのコラボが生んだデコラティブな世界

商品紹介
壁紙の魅力

こんにちは。

今回は新入荷の見本帳の中から、ぜひ多くの方にご覧いただきたいコレクションをご紹介します。
イギリスにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)とコラボレーションして生まれたコレクション
V&A DECORATIVE PAPERS」をご紹介します。

北イングランドのランカシャーにて、4世代に渡りラグジュアリーな壁紙を製造している
1838WALLCOVERINGSより新たに発売された壁紙コレクションです。

V&A所蔵の貴重なアーカイブから、デザインはそのままに現代的な配色にアレンジした
美しいデザインを収録しています。

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画像は実際に博物館で撮影されたもの

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)とは?


美術、デザイン、パフォーマンスに関する世界有数の博物館で、
5000年にわたる人類の創造性の範囲と多様性において比類なきコレクションを所有しています。

1852年に設立されたこの博物館は、芸術作品をすべての人に提供し、
英国のデザイナーや製造業者にインスピレーションを与えることを目的としています。
現在では、創造的な産業を支援し、次世代にインスピレ―ションを与え、
すべての人の想像力をかきたてることを目的としています。

― Victoria and Albert Museum 公式サイト:https://www.vam.ac.uk/

「V&A DECORATIVE PAPERS」デザイン紹介


コレクションに収録しているデザインをご紹介していきます。
壁紙デザインの元になったV&Aのアーカイブについても解説。
現代に蘇る美しいデザインをお楽しみください。

MACAW

葉の生い茂るジャングルにとまるインコとたわわに実った果実を描いた鮮やかなパターン。
V&Aのアーカイブにあるオリジナルの木版画壁紙を再現するため、
サーフェイスプリントを使用し巧みに印刷されています。

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元の作品

「Macaw wallpaper」Walter Crane (1845-1915)
Jeffrey & Co. ロンドン 1908年

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O824389/macaw-wallpaper-crane-walter-rws/

ウォルター・クレインがJeffrey & Co.のためにデザインした「コンゴウインコ」は、
1908年にロンドンで開催された英仏博覧会の展示作品として制作され、グランプリを受賞しています。

クレインは、同世代の絵本作家の中でも最も影響力があると言われており、
壁紙にも印象的なデザインを多く残しています。

木版画家として修行していたクレインは、画家のダンテ・ガブリエル・ロセッティや
挿絵画家のジョン・テニエル卿など、同世代の芸術家の作品をじっくりと学ぶ機会に恵まれ、
彼の絵には自然のディテールを様式化する優れた能力が現れています。

FLORAL FANFARE

V&A所蔵の19世紀の壁紙デザインから引用したエレガントなパターン。
繊細な葉の中に扇形の花のモチーフがレイアウトされています。
手描き感を残すためにすべてサーフェスプリントで仕上げられています。
シンプルでありながら、その芸術性は強い新鮮な色彩によってさらに強調され、
この不朽のデザインにモダンなタッチを与えています。

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元の作品

「壁紙」Geroge Charles Haite (1855-1924)
イギリス 1880年~1900年

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O204010/wallpaper-design-geor/

アーツ・アンド・クラフツでは、ジョージ・チャールズ・ハイテのように、
自然を様式化したデザインを提唱し、花や葉をシンメトリーな形にまとめました。

芸術家、イラストレーターとして高い才能を発揮したハイテは、
1870年代に壁紙のデザインを始め、Jeffrey & Co.、
Essex & Co.、William Woollams、Arthur Sanderson & Sonsなど様々な企業のためにデザインを制作しました。

ハイテの作品のスタイルは、アーツ・アンド・クラフツとアール・ヌーヴォーを横断しており、
ここでは装飾効果が華やかなアール・デコ様式を彷彿とさせるものでもあります。

PEACOCK TOPIARY

イギリスの大邸宅の敷地内に、手入れの行き届いた芝生、彫刻のような生垣、
チューリップ、そして誇らしげに闊歩する孔雀が楽し気に配置されています。

100年以上前のV&Aアーカイブのファブリックからインスピレーションを得て作られました。
オリジナルの細かいステッチと印象的な壮大さを再現するために、
伝統的な印刷を施しました。

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元の作品

「家具用ファブリック」Silver Studio
ロンドン 1900年頃

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O262245/furnishing-fabric-the-silver-studio/

1880年にアーサー・シルバーによって設立されたSilver Studioは、
ロンドンのハマースミスを拠点に、家具用ファブリック、壁紙、テーブルクロス、ラグ、カーペットなどの
デザインをイギリス内外様々な顧客に販売していたデザイン事務所です。
デザイナーは有名人から無名まで多岐にわたりました。

元々、絹織物の調度品として作られたトピアリー柄は、荘厳な豪華さの象徴であり、
アール・ヌーヴォーの美学と20世紀初頭の英国インテリアデザインの特徴である
有機的で自然な形の様式化を示しています。

MANDARIN GARDEN

V&A所蔵のファブリックに描かれたオリジナルのパターンをサーフェスプリントで再現し、
豊かな色彩で美しい絵画的効果のある壁紙に仕上げました。

中国庭園では、水紋の中で漕いでいるオシドリ、様式化された木々の天蓋から
垣間見える熱帯の花々、遠くに佇む仏塔が描かれています。

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元の作品

「家具用ファブリック」F.W. Grafton & Co.
ランカシャー 1923年

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O267489/furnishing-fabric/

ランカシャーを拠点とするテキスタイルメーカー、F.W. Grafton & Co.のパターン。
1923年に制作されたオリジナルは、東アジアの伝統的な壁紙や織物のデザインにルーツがあります。

鳥や水、植物などのモチーフが描かれた中国のロマンティックな風景は、
いかにも古典的なシノワズリのスタイルですが、アール・デコの影響を受けた花々が描かれているため、
イギリス製であることが容易に分かります。

1920年代のデザイナーは、しばしば東洋にインスピレーションを求め、
アヒルやキジ、仏塔などのモチーフを使って、見慣れたデザインに「エキゾチック」な印象を与えていました。

FLORIBUNDA

V&Aのアーカイブにあるヴィクトリア朝のファブリックをもとに、過去を現代に美しくよみがえらせたデザイン。

オリジナルの柄のスケールを生かすため、幅広の壁紙に印刷しており、
ライラックの枝や可憐な紫色のバラが咲き乱れる英国庭園のような雰囲気を醸し出しています。

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元の作品

「家具用ファブリック」
ランカシャー 1850年頃

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O15397/furnishing-fabric-unknown/

V&Aは、ロンドンのポールモールにある王宮の邸宅、マールボロ・ハウスで1852年に開催した「デザインの偽りの原則展」を皮切りに開館。
V&Aの初代館長であるヘンリー・コール卿が、良いデザインと悪いデザインの原則を定義しようと試みこの展覧会を開催しました。

この展覧会では、プリントされたコットンの更紗が悪い装飾とされました。
ライラックやバラの枝をソファのクッションや椅子のアームに合わせて曲げたもので、「自然の模倣」として非難されたのです。

コールは大衆の趣味を改善しようと試みましたが、この展覧会は成功しませんでした。
一般市民は、この展覧会をただ面白おかしく見ているだけで、趣味を変えることはありませんでした。
消費者は花柄の更紗を好み、現在でもカーテンや椅子張りの生地として人気があります。

EDEN

伝統的なサーフェスプリントで、インクをたっぷり使って深みと質感を出したEdenは、
19世紀後半にジェフリー社が制作したデイの「Cactus(カクタス)」という壁紙をベースにしています。

アーツ・アンド・クラフツのルーツである様式化された葉や花をモチーフにした総柄で、自然を讃えるようなデザイン。
洗練された2色のカラーパレットは、渦巻く花のモチーフを主役としています。

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元の作品

「サボテンの壁紙」ルイス・フォアマン・デイ(1845-1910)
Jeffrey & Co. ロンドン 19世紀後期

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O227965/cactus-wallpaper-day-lewis-foreman/

ステンドグラス職人としての教育を受けたルイス・フォアマン・デイは、
同世代のデザイナーの中で最も商業的に成功した一人。
アーツ・アンド・クラフツ・エキシビション協会の創設メンバーでもあり、
デザインに関する講演や書籍の執筆も行いました。
1870年に独立したデイは、テキスタイルや壁紙など、さまざまな家庭用品をデザインしました。

1881年、デイはランカシャーのコットン印刷会社、Turnbull and Stockdale(ターンブル・アンド・ストックデール)のアートディレクターに就任し、彼のデザインの人気を広める役割を担いました。
彼は優れた製図家であり、その印象的でリズミカルなデザインは、
さまざまな流行の企業や小売業者に販売されました。

KILBUN'S CORAL

V&A所蔵の1700年代後半のテキスタイルの水彩画デザインを元にした、息をのむような大柄の壁紙。
花、植物、海藻、サンゴの形が見事に再現されており、エキゾチックな雰囲気と混ざり合い、
素晴らしい効果を出しています。

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元の作品

「プリントされたコットン」William Kilburn(1745-1818)
ロンドン 1788年~92年頃

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O157013/design-kilburn-william/

V&Aは、ウィリアム・キルバーンによる223点の精緻な水彩画の
テキスタイルデザインを収めたアルバムを所蔵しています。

アイルランドに生まれたキルバーンは、ロンドンに移り住み、
植物図鑑のイラストレーターとして活躍した後、テキスタイル産業に身を置き、
最終的にはサリー州のウォリントンで自身の更紗染め工場を経営するようになりました。

仲間のデザイナー達から賞賛され、模倣されたキルバーンですが、
品質とオリジナリティを失うことなく、幻想的で心地よいパターンを生み出しました。
キルバーンのデザインにはすべてに花のモチーフが使われており、
葉や貝殻、リボン、建築的な要素で飾られています。
複雑なデザインでもシンプルなデザインであっても、
繰り返しを目立たなくするパターンの制作に優れた才能を発揮しています。

PAEONIA

V&A所蔵の1981年のファブリックを元に、大きな牡丹を描き、
甘美な色彩を何度も重ねています。

華麗なモチーフとエキゾチックな花を特徴とするファブリックは、
18世紀のヨーロッパの装飾に見られた手描きの中国製壁掛けパネルを思い起こさせます。
この壁紙は、オリジナルのテキスタイルのディテールをほぼそのままに、
見事にリマスターされており、花々が咲き誇り、空間を一変させます。

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元の作品

「家具用ファブリック、コットン」 Calico Printers' Association
マンチェスター 1918年

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O73714/fabric-sample-calico-printers-association/

V&Aのコレクションは、英国の繊維生産の豊かな歴史を物語っています。
1899年に46のテキスタイル会社と13の織物商が合併してマンチェスターに設立された
織物会社、キャラコ・プリンターズ・アソシエーションは、繁栄したビジネスでした。

20世紀初頭には、高級ドレス生地や伝統的な更紗を生産し、
テキスタイルの研究開発にも 携わっていました。
戦間期には、インテリアデザインの復興やシノワズリの流行に触発された
プリントコットンをデザインスタジオで生産していました。

KYOTO BLOSSOM

この素晴らしい景色は、V&Aのアーカイブにある着物からのデザインです。
日本の伝統工芸を称えるドラマティックな壁画で、雄大な鳥と梅の木、
その下に 波打つ水の美しさを完璧に映し出しています。

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元の作品

「刺繍の着物」William Kilburn(1745-1818)
京都 1860-1900年頃

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参照元:V&A(https://collections.vam.ac.uk/item/O126689/kimono/

V&Aは、陶磁器、木工品、版画、絵画、彫刻、織物、服飾など、
世界で最も日本美術のコレクションを所蔵している機関の1つ。
この着物のデザインは、日本における海外と織物技術の密接な関係を物語っています。

着物の表面は、梅と松の下に優雅な鶴を手描きし、掛け軸のような役割を果たしています。
鶴は幸福や幸運、長寿をもたらすとされる日本の象徴的な鳥です。



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最後に

コラボ壁紙のデザイン・製造を手がけた1838WALLCOVERINGSからのコメントをご紹介します。

「V&Aファミリーの美術館はとても刺激的な場所で、ロンドンを訪れる全ての人必見の場所です。

1838は、その宝のようなアーカイブにアクセスできることを光栄に思っています。
本当に素晴らしいパートナーシップで、このコラボレーションは、
1838の壁紙印刷技術によって、V&A所蔵の芸術作品に命を吹き込みました。

デザインは、クラフトマンシップが中心であった時代のものであり、
今日でもそのディテールと芸術性が高く評価されています。
その結果、時代を超えたラグジュアリーな壁紙コレクションは、喜びと修復を感じさせ、
それぞれが魅力的な物語を持っています。」

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いかがでしたでしょうか。
華やかで歴史ある壁紙デザインの世界に浸っていただけたかと思います。

壁紙のデザインの背景を知ると、よりそのデザインに愛着がわいてきます。
壁紙選びに迷われた際は、デザインのストーリーを決定の後押しにしてみるのもおすすめです。

こちらは「V&A DECORATIVE PAPERS」実物見本帳の画像です。

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美しい色彩やこだわりのプリントを堪能できるコレクションです。
実物の見本帳はショールームでご覧いただけます。

テシード東京ショールーム

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これからも壁紙の魅力を発信してまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

iku