ハイムテキスタイル2026 トレンドレポート

イベント

今回は、1月にドイツ・フランクフルトで開催された世界最大級のテキスタイル見本市「Heimtextil 2026(ハイムテキスタイル)」のトレンドをご紹介します。



今年は世界148か国から約3,000社が出展、テキスタイルメーカーのみならず、壁紙、ラグ・カーペット、寝具など、インテリアに関わる多くの企業が集結。業界関係者やバイヤーなど、約48,000人が来場しました。
各メーカーから発表される新作プロダクトに加え、注目を集めているのが「Heimtextil Trends 26/27」です。ここから発信されるテキスタイルトレンドは、業界における重要な指標のひとつとなっています。

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展示会場/今年は8個のホールで開催



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テキスタイルメーカーでの展示



Heimtextil Trends 26/27 Craft is a verb
完成形より「プロセス」に価値が宿る時代へ


昨年に引き続き、「Alcova(アルコバ)*」によって提示されたトレンドテーマは「Craft is a verb」。
直訳すると「クラフトは動詞である」。
急速に拡大するAIを活用したデザインやものづくりのデジタルプロセスと、伝統的な素材や手仕事がどのように融合し、テキスタイルが変化していくのかを示しています。
この10年間、テキスタイル業界では「サステナブル」が大きなテーマとして掲げられ、環境に配慮したものづくりが主流となってきました。
今年は「AI」をはじめとするテクノロジーが、クリエイティブな領域であるテキスタイルのものづくりにも本格的に反映され、完成形としてのクラフトだけでなく、「手を動かすこと」そのもの、つまり創造のプロセスにこそ価値があるという考え方が強調されています。
あえて解像度を落とした表現や、不完全さ・不規則さをパターンとして取り入れることで、アナログとデジタルが融合した新しいテキスタイルデザインへと昇華されています。


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「Craft is a verb」テーマイメージ



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異素材の組み合わせを表現。ソフトな手触りに見えるスツールはコンクリートのようなハードなマテリアルで制作(手前)



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ピクセルを思わせるような空白が不完全さを表現したラグ



*Alcova(アルコバ)
従来のデザイン慣習に挑戦する独立系デザインプラットフォーム。2018年にヴァレンティーナ・チュッフィとジョセフ・グリマによって設立され、ミラノ・デザインウィーク期間中、歴史的建築や使われなくなった場所を舞台に、革新的な展示やインスタレーションを通じて独立系デザイナーに光を当てている。

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Colour Palette 自然とデジタルが交差する色彩


カラーパレットでは、砂、粘土、すす、オリーブ、樹皮といった自然由来の落ち着いた色味(画像上部)に加え、AIが生み出すシャープで人工的な色彩(画像下部)がアクセントとして取り入れられているのが特徴です。
自然から生まれた色は、安定感やつながりを表現する一方で、静けさも感じさせます。そこにアシッドグリーンや鮮やかなスクリーンブルーが加わることで、配色全体に緊張感と鮮やかさが生まれています。


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カラーパレット。自然由来の色味を上部に、人工的で刺激的な色味を下部で表現



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トレンドブースで展示されていたカラー



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トレンドを反映したファブリックを展示。近未来的に配列された展示が印象的



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表側にはファブリックそのものを展示



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裏側には、表で展示されているファブリックを使用したプロダクトが並ぶ



今回のトレンドは、テキスタイルにおける価値が、完成された表現そのものではなく、素材と向き合い、手を動かしながら生まれる「プロセス」へと移行していることを示しています。
2026年春夏のエディター新作コレクションにも、手仕事の風合いを感じさせる織りや、天然素材特有の表情を生かしたファブリックや壁紙、壁装材が数多く登場しています。
こうした「プロセス」に意識を向けて商材を見てみると、一点一点に込められたこだわりが、より鮮明に感じられるかもしれません。